技術紹介

竪型ストーカ式焼却炉

バーチカル炉®︎

独自開発の燃焼技術『SLA®燃焼方式』により、 高性能・低環境負荷を実現

バーチカル炉

廃棄物を均質燃料に変換してから燃やす


当社が開発した燃焼技術『SLA®燃焼技術』では、ごみを炉内(図参照)に厚く積み上げ、下部火格子より少量の一次燃焼空気(空気比 λ=0.5以下)を送ります。投入されたごみは自重で下方に移動しながら熱分解し、均質な可燃ガスと炭化物に変換されるため、不均質なごみであっても安定的に燃焼することが可能です。

可燃ガスと炭化物となったごみが閉じた空間内で逆方向に(可燃ガスは上方へ、ごみは焼却炉下部へ)移動するため熱効率が高く、ごみを長時間、炉内に滞留させることができます。

上部空間へ移動した可燃ガスは、二次燃焼空気により、有害物質の発生を抑制しながら完全に燃焼し、一方の炭化物となったごみは燃焼して灰になりながらも炉内に長く留まるため、焼却灰中の未燃物は数時間かけて完全燃焼し、焼却灰は当社独自の排出機構により炉下へ排出されます。

新しく炉内に投入されたごみは、炉の下部より上昇してくる酸欠の高温還元ガスにより、燃やさずに乾燥・熱分解されるため、水分の多い低カロリーの廃棄物だけでなく、産業廃棄物や医療廃棄物のような不均質かつ高カロリーのごみであっても、ごみ質の変動は炉内で常に均され、様々なごみは燃料のように自燃します。そのため、通常運転中はバーナーによる助燃も不要です。

当社がバーチカル炉を、”マルチフューエル焼却炉”(多燃料焼却炉)とも称する所以です。

また、バーチカル炉は、従来型ストーカ炉やロータリーキルン炉と比較して、とくに高温部に駆動部の少ないシンプルな構造のため、故障が少なく、補修期間も短期間で済みます。さらに炉の立ち下げも短時間で容易に行えるため、運転・維持コストを抑えることができます。

低カロリーから高カロリーまで
幅広い廃棄物を分別なしで焼却可能

汚泥

汚泥

~1,000 kcal/kg
(~4.1 MJ/kg)

一般廃棄物

一般廃棄物

~3,000 kcal/kg
(~12.5 MJ/kg)

産業廃棄物

産業廃棄物

~4,000 kcal/kg
(~16.7 MJ/kg)

感染性医療廃棄物

感染性医療廃棄物

~5,000 kcal/kg +
(~20.9 MJ/kg +)

プロセスフロー(焼却発電)

動画解説
バーチカル炉

※音が出ますので音量にご注意ください。

竪型ストーカ式焼却炉『バーチカル炉』の燃焼方式解説
=従来型のストーカ炉との比較=

バーチカル炉の特長

  • SLA燃焼方式とは、一次燃焼空気比を0.5以下とした低空気比燃焼技術。廃棄物を厚く積み上げ、炉底部から少量・一定量の一次燃焼空気を上向きで通気させることによる熱分解で、廃棄物を燃料化(炭化/ガス化)してから燃焼するため、安定燃焼・完全燃焼を実現します。

  • 炉内に新しく投入されたごみは、炉下部からの高温の熱分解ガスにより、直接燃やされることなく、効率よく乾燥されてから時間をかけて熱分解・燃焼されます。そのため、低カロリーや高カロリーのごみが雑多に混ざっていても前処理・分別なしで投入・焼却できます。当社が「マルチフューエル焼却炉」と称する理由です。

  • CO値を抑え、ダイオキシン類の発生を大幅に低減できます。加えて独自開発の集じん装置『プランテック式プレコートバグフィルタ』により、日本国内はもとより世界の排出基準に適応します。

バーチカル炉

経済的な利点

  • 熱効率が高く、低カロリーの廃棄物でも補助燃料が不要なため、CO2の排出を抑制するとともに、ランニングコストを低減できます。

  • 炉内の高温部に稼働部のないシンプルな構造により、運転操作が容易かつ故障も少ないため、長期安定稼働を行えるとともに、炉の立上げ/立下げも他形式炉に比べて時間がかかりません。運転・維持管理コストを低減できます。

  • 廃棄物を安定的に燃焼できるため、ボイラにより安定した蒸気を発生させることができ、ひいては安定した発電を行えます。経済的に発電するためには、ある程度の焼却処理規模が必要なものの、効率的なエネルギー利用により循環型社会の構築に貢献します。

焼却灰

乾式反応集じん装置による有害ガス対策

プレコートバグフィルタ

低コストの乾式処理で湿式処理と同等の除去効率を実現

プランテック式プレコートバグフィルタ

薬品の厚いプレコート層で
有害物質を確実に除去

プレコート方式と
連続吹込方式の比較

動画解説
プレコートバグフィルタ

※音が出ますので音量にご注意ください。

乾式反応集じん装置『プランテック式プレコートバグフィルタ』の解説
=従来型のバグフィルタとの比較=

  • ろ布表面に薬剤のコーティング層を形成し(プレコート)排ガスを通過させることにより、薬剤と有害ガスの接触反応効率が高くなり、湿式処理と同等の除去効率を得られます。

  • 薬剤と有害ガスとの接触効率が高いため、塩化水素・硫黄酸化物などの酸性ガス、ダイオキシン類、水銀をはじめとする重金属類など、除去困難な有害物質を確実に反応・吸着除去します。

  • 乾式処理のため、排水処理などの付帯設備が不要であり、設置スペースも最小限で済みます。

  • 排ガスと薬品の接触効率が高いため未反応薬品が少なく、薬品使用量を低減できます。薬品使用量の低減に伴い飛灰量も減少するため、薬品費だけでなく飛灰の最終処分費も削減できます。

  • 焼却炉の運転停止直前に薬品をプレコートすることにより、焚切り後の残留ガス中の有害物質を除去できます。

特長と利点

バグフィルタ

お問合せ・ご連絡先

弊社製品にご関心のある方は、お気軽に下記連絡先までお問合せください。貴社ニーズに即したご提案をさせていただきます。また、日本国内だけでなく、海外案件にも対応可能です。ご連絡お待ちしております。

大阪本社(営業部)
電話 06-6448-0141 | FAX 06-6448-4370

東京支社(営業部)
電話 03-3517-5200 | FAX 03-3517-5203

北海道営業所(代表)
電話 011-781-7723 | FAX 011-787-3020

株式会社プランテック 本社ビル玄関

本社所在地 大阪市西区京町堀1丁目6番17号
営業時間  月曜日~金曜日 8:50~17:30

技術論文

当社が2020年度以降、関連学会等に発表した論文の一覧です。「+」をクリック/タップすると論文タイトルをご覧いただけます。

当社では国内の大学・研究機関とも連携し、上で紹介した燃焼技術の検証や、新しい排ガス処理方法、発電システム等の研究・開発を行っているほか、実際の施設での運転報告なども論文として発表しております。

これら発表論文をまとめた冊子を用意しております。

当社技術についてより詳しく知りたいという方は、お問合せフォームよりご連絡いただければ冊子を無料でお送りいたします。

  • 竪型ストーカ式焼却炉の10年間の維持管理実績

    竪型ストーカ式焼却炉における間欠運転の実績

    プラスチックごみの削減を想定した清掃工場の最適な発電計画

    竪型炉ボイラにおけるシミュレータ燃焼部の演算装置の開発

  • 高性能多孔質薬剤の開発

    竪型ストーカ式焼却炉における廃棄物滞留時間の推定

    竪型ストーカ式焼却炉の燃焼機構調査

  • 医療廃棄物処理施設の運転状況

    竪型ストーカ式焼却炉の10年間の維持管理実績

    最適なごみ発電方式の検討

  • ごみ焼却排ガスからの水回収システム

  • 竪型ストーカ炉ボイラシミュレータによる自動制御システム

  • 竪型ストーカ式焼却炉における廃棄物の炉内滞留時間の検証

    竪型ストーカ式焼却炉の間欠運転における立上げ・立下げ

    ごみ焼却排ガス処理における焼却灰の消石灰代替可能性に関する研究

  • 竪型ストーカ式焼却炉における廃棄物の炉内滞留時間の検証

    竪型ストーカ式焼却炉の間欠運転における立上げ・立下げ

    ごみ焼却排ガス処理における焼却灰の消石灰代替可能性に関する研究

  • 活性炭炭素繊維を用いた廃棄物焼却炉排ガスからの水銀除去

  • 活性炭素繊維(ACF)を用いたごみ焼却排ガスからの水銀除去

    竪型ストーカ式焼却炉の間欠運転における立上げ・立下げ

    竪型ストーカ式焼却炉整流装置による飛灰量抑制効果
    (粉体シミュレーションによる検討)第2報

    熱光起電力発電技術の廃棄物焼却炉への適用性調査(第2報)

    重曹の真空加熱による多孔質ソーダ灰の製造および酸性ガス除去性能の評価

    竪型ストーカ式焼却炉のブースト調節部を用いた先行制御系の検討

    水蒸気分離膜を用いたごみ焼却排ガスからの水回収システムの提案

    竪型ストーカ式焼却炉ボイラ熱回路のシミュレータ開発

  • 活性炭素繊維(ACF)を用いた水銀除去試験

    水蒸気透過膜を用いた新規な環境配慮型廃棄物処理システムの開発

    重曹の真空加熱による酸性ガス処理用の高性能多孔質薬剤の製造

  • 既存建屋を利用しての焼却施設更新工事

    下呂クリーンセンターにおける汚泥混焼実績

    竪型ストーカ式焼却炉燃焼室内の温度分布

    竪型ストーカ式焼却炉整流装置の飛灰量抑制効果(粉体シミュレーションによる検討)

    熱光起電力発電技術の廃棄物焼却炉への適用性調査

    小型竪型火格子式ストーカ炉の外乱ランダム変化時の検討